福井県左官工業組合

 

 

 











 

左官の塗り壁オールドストリー
左官の塗り壁ニューストーリー


  〜左官の塗り壁昔ばなし〜  
  前コーナーのシックハウスホラーショー※では、シックハウスの予防・緩和ポイントとして「換気」が大切だとお話ししました。室内の空気を循環させたり、放出したり、外気を入れたりを意識的に行いましょう、ということなのですが。“手間”がかかりますよね(苦笑)。ちょっとしたことだからすぐ出来そうなのですが“ちょっとしたこと”だから億劫がったり、忘れがちだったり。ところがボクら日本人のご先祖さまたちは、イイものをつくっていました。それは『左官の塗り壁』です。
 
 
 
  そもそも、桃山〜江戸時代の前後。お城や城下町・寺社の建設が急激に増えたこと、また 桃山時代からの茶道の発展にともなう茶室(数寄屋建築)の造営などで「左官の塗り壁」は京都から全国へ広まっていったそうな。また「左官の塗り壁」は冬の寒さから身を守りたい庶民のニーズに合い、一般住宅の工法にもどんどん取り入れられて官民問わず普及し日本の建築文化の礎となったそうな。何百年という歴史を積み重ねてきたそれは・・・・・  



木造住宅大都市・京の都は大火知らずだった?!
 
  木造住宅が密集する大都会だった京都。しかし京都には大火がないと言われてきました。それは住宅の構造にワケがありました。なんと塗り壁が天井裏の間仕切りにまで塗られていたそうです。燃えやすい木の柱や梁などの板材を、燃えにくい土の壁で覆うことで現代の耐火ボードのような効果を発揮していたのですね。また自然素材なので有害なガスなどを発生させることはないので煙害も回避できる良さもあります。  
 
   

建築の新素材として誕生!
 
  吸放湿性の良い 左官の塗り壁の場合、室内を乾燥した空気が吹き抜ける時、壁からマイナスの水分が蒸発します。その水分は室内空気中のプラスイオンを吸着し、風に乗って外へ飛び出していきます。プラスイオンの去った室内ではマイナスイオンが豊富に生成され良好な室内空気環境が形成されているそうです。  
 


  〜現代によみがえった呼吸する機能壁『けいそう土壁』のお話〜  
   
 
 
水中の藻が海底や湖底に1〜2千万年堆積してできた“化石化した土”です。けいそう土にはスポンジのようにたくさんの空間があります。その特徴により耐火性に優れているところから日本では、七輪コンロや耐火レンガの材料として従来より重宝されてきた素材です。また不純有機物を含まない最高品質の白色けいそう土は飲料用のろ過材に使用されています。

けいそう土の断面写真
(顕微鏡写真)
 
 
けいそう土は、乾燥するとヒビ割れしやすい欠点があったため建築素材としては敬遠される時代がありました。しかし近年の研究で、土独自の呼吸作用により「空気を浄化したり」「湿度を調節する」はたらきが発見されました。昨今のシックハウス症候群の社会問題化により空気清浄、結露防止ニーズと合致し、研究・開発がなされた結果、欠点を克服し建築の新素材として生まれ変わりました。



  “呼吸する壁”として空気清浄効果があります。シックハウス症候群の原因とされるフォルムアルデヒドなど毒性のある有機気化物を吸収し症状を緩和します。タバコの煙や灯油の煤なども吸着し消臭作用で室内の空気をクリーンに保ちます。アトピーやアレルギーの予防にもつながります。   室内の衛生を著しく損なうカビやダニ、建築物の致命傷となるサビや腐敗を引き起こす住まいの大敵“結露”。けいそう土のスポンジのようなたくさんの空間が湿気を吸収します。また吸うだけでなく逆に乾燥すると湿気を吐き出す調湿効果もあり住空間を快適に保ちます。   熱伝導率の低いけいそう土は、夏涼しく冬暖かい快適な住空間を実現します。
           
  けいそう土は無機質なので燃えません。万一の火災時にも延焼を防ぐと共に、避難時間を確保できます。また、天然素材なので有害ガスを発生させないので万一の時の煙害から生命を守ります。   表面吸音性に優れ、高い遮音性を発揮します。ご近所への騒音の心配を軽減するとともに、家族間のプライバシーもしっかりと守ります。
  天然素材ならではの温かみのある素材感、風合いは現代住宅にもマッチする表情を持っています。


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