福井は一年を通して比較的湿度の高い地方です。冬は雪降る降雪地域、梅雨〜夏はムシ暑い日が続きます。この気候風土は建築物にとってハードな環境条件です。そんな福井における、左官の塗り壁を施した健康マイホームをレポートします！

内・外壁は聚楽塗り、水まわりには漆喰塗りを。 美観と機能性が共存した、左官建築の王道を行く数寄屋建築です。

◎写真：外装 通りから拝見しても、真っ白な漆喰塗りの塀と格子戸から垣間見える庭園の風情は純然たる和の佇まいを予感させます。		◎写真：内装 隣接する築25年の和室も年月を感じさせない。塗り壁は一度施工してしまえば長期間持つという生きた証し。

元左官職人の御主人と、大工職人の協同作業で完成させたお住まいです。築2年　土の香りが立ち上るような聚楽壁に包まれた内装は心落ち着ける空間です。主な内壁に使われているその聚楽壁は湿気を調整する機能があります。よって、庭に面した大きな窓は結露知らずです。苔が敷き詰められた美しい庭をこたつに入りながら観賞できます。またキッチン、バス、トイレなど水まわり他、仏間や押し入れなど湿気に気になるところの壁には漆喰塗りを施して湿潤調整に配慮されています。購入から35年経ったというお仏壇もその年月を感じさせないほどの金箔の輝きが印象的です。漆喰壁による除湿機能のあらわれですね。   ◎写真：内装